はじめに 藤原店長&藤原部長のベルギー探訪記
みなさんこんにちは。
garden梅田の藤原です。
今回、世界のダイヤモンド産業の中心地にあるAWDC(Antwerp World Diamond Centre)を訪問するため、ベルギーのアントワープに行ってきました。
はじめに、アントワープとダイヤモンドの歴史についてご紹介します。
ベルギーにあるアントワープは、オランダのロッテルダムに次ぐヨーロッパ内第2位の貿易都市とされ、運河も多く存在します。
また、日本でも馴染みのあるフランダースの犬の舞台となった土地としても有名です。
アントワープの産業を支えるのがダイヤモンド。
570年も前からダイヤモンド産業に着手し、今では年間480億円の市場を確立。ベルギーの輸出物の15%がダイヤモンドというほどのシェアを持つ一大産業です。
世界各国で採取されたダイヤモンドの原石の84%をアントワープに集め、職人の手でカットされ各国に輸出していることもあり、ダイヤモンドカッターとして名を馳せる職人たちのほとんどがアントワープ出身者というほど。
今回訪れたAWDCは、1975年の設立以来、アントワープのダイヤモンドの物流を管理・コントロールしている唯一無二の機関。
アントワープでダイヤモンドを取引するにはAWDCの厳しい審査を受けることが必要で、その厳しさを守ることで、世界中から絶大な信頼をおかれるクオリティのダイヤモンドを提供しています。
また、マネーロンダリングなどによる不正をもシャットアウトするべく、17人のエキスパートを配置するなど、品質担保に対する施策を多く持つことでも有名なAWDC。
そんなAWDCに部長とともに訪れました。
いざ、ベルギー・アントワープへ!
営業終了後、梅田からバスに飛び乗り関西空港へ。
出国手続きをすませると時刻はすでに22時。飲食店街は閉店時間を過ぎた店舗が多く、数少ない飲食店の中からすき家に入店し、とろろ牛丼を注文しました。
出発時間が迫っていたため、搔き込むように食べたとろろ牛丼に、私は早くも胃もたれでダウン。
そうこうしている内に出発時間を迎える飛行機に飛び乗り、いざベルギーの首都ブリュッセルへ!
フライトはドバイを経由し、トータル20時間。
機内ではほとんどの時間を睡眠にあてていたため、機内食を食べたにも関わらず、記憶なし。
経由地のドバイに到着したのは現地時間の5時。日本の感覚では朝5時は早朝だが、ドバイ空港内のお店は全てOPENという快活さ!
しかもドバイの空港は関西空港の数倍はある大きさ。これには驚きました。
3時間ほどで乗換え予定なので、空港で待ち時間を過ごしていると・・・
トラブル発生!ドバイで合流予定だった同行者が時間になっても合流できず、さらには同じ飛行機にいたどこかの国の女性が叫びながら暴れ、空港スタッフに取り押さえられ、最終的には手錠をかけられてどこかへ連行されるという光景を目の当たりに。
映画のような一幕に唖然としていると、同行者が無事到着し、何事もなかったかのように次のフライトへ向かいます
ブリュッセルまではドバイから7時間。機内ではまたしても睡眠に全ての時間を費やしたため記憶無し。
ブリュッセルに到着し、入国審査を行うも部長&私の2人してなかなか通してもらえず(見た目が怪しいのでしょうか?)予定より1時間遅れて無事、入国することができました。
乗車を予定していたバスが到着予定時刻をすぎても現れず、諦めてタクシーでアントワープへ移動。
車中、ベルギーの美しい街並み眺めながら、外国に来たことを大いに実感していました。
初日 アントワープ観光
アントワープ内にあるホテルにチェックインすると、10分程で着替えてすぐに観光スタートです!
まず気になったのはアントワープ駅のかっこよさ!思い描いたヨーロッパの美しさを丸ごと表現したような風格に感動しました。
アントワープ駅の正面にメインストリートがあり、おしゃれなテラスを持つ飲食店が連なる姿に、早くも飲みたいモードに。
とはいえ時間も早いので、まずは繁華街を散策。メインストリートは石畳みのような地面が続き、革靴だと少々痛いといことを感じました。
それでも繁華街から見える建物はどれも美しく、統一された世界観。ショップはZARA、H&M、ユニクロなど、日本でも馴染みのあるファストファッションも多く存在するが、景観を守るために、建物の外観へのこだわりが見られる。まるで京都みたいだな、という印象に。
アントワープに来たからには行ってみたかったのが、フランダースの犬のラストシーンで登場する「アントワープ聖母大聖堂」。 ネロとパトラッシュが抱き合いながらルーベンス作「キリストの降架」を前に命を終える感動のシーン。 大聖堂前にはそのネロとパトラッシュの彫刻があり、感動のシーンが蘇る・・・かと思いきや、なんとパトラッシュ、アニメとは違う犬種の姿だったのです。 日本のアニメから「セントバーナード」というイメージでしたが、原作は「ブービエ・デ・フランダース」という犬種らしいです。知らなかったので絶句してしまいました。
気を取り直してアントワープ観光! アントワープはたくさんの運河やモニュメントが街中に広がり、いわゆる“フォトジェニック”な空間が多数。Instagram用のも写真を撮りあって、部長と大はしゃぎ!
ディナーには「Colveniner」という地下にあるワインセラー付きのレストランでコース料理を堪能しました。
夕食後はホテルまでバスで移動。アントワープは22時過ぎまで街中が明るく、まだまだ眠れないのでホテルの周辺のテラスで乾杯。美しい街並が広がるテラスは、その後の滞在中に毎日晩酌の席としてお世話になりました。
2日目 AWDC、HRD見学、研磨工場見学、取引所見学、業者面会
朝8時半に集合し、徒歩5分ほどの所にあるダイヤモンドストリートに到着。
Z型の3本筋、1kmほどに約1700社ズラリとならび、約100ヶ国から人々が集まるダイヤモンドストリート。
中でもAWDCは圧倒的なスケールの建物でさすがの存在感でした。
姉妹組織のHRDダイヤモンド鑑定機関を見学し、4Cランク付けはもちろん、人工ダイヤかどうかの判断をメレダイヤにおいても行う鑑定の作業風景を見学。 カラーの鑑定は肉眼+コンピューターで行っており、用意されたマスターストーンを元に、うすい白熱灯のうすぐらい所で行う作業。非常に集中力のいる作業なので、1人30分で休憩に入るそうです。
コンピューターは肉眼に近いレベルで作業時間は1分。それを2時間繰り返す度に1回調整を行う必要がある精密な機械です。
カラーの時点で天然かトリートか人工か鑑定し、トリートか人工のものはラボに送付しさらにより精密な鑑定を行います。
クラリティーはHRDが独自開発した世界一の精度を誇る顕微鏡(高そう)で鑑定。人工ダイヤを判断する機械は1度に500ctまで判断でき、1㎜のメレダイヤも鑑定可能。
続いて見学したのは歩いて2分ほどの所にある研磨工場。
入館にパスポートが必要な万全なセキュリティー体制。10人ほどの職人がおり作業を行っています。
作業行程は、まず原石をスクリーニングにかけ、コンピューターでどうカットするか決定。次に決定されたカットに合わせて形を整え、必要な面数に応じて面を入れていくという流れ。職人は4つの石を同時にカットするという技術を駆使して作業が行われます。
次に徒歩1分の所にあるダイヤモンドの取引所へ移動。取引所は全世界に31か所あるうち4つがアントワープ。25年前は一階の大きなフロアで取引がおこなわれていたそうで、その為に北側に大きな窓が配置されている設計。現在では上のフロアで各社ごとに部屋が存在し、取引はそこで行われているそうです。
AWDCは会員になるのに年会費が必要で、契約の際に保証人が2人必要となる世界でも稀なルール体制を守ることで、取引の信頼を長年獲得しています。
今回同行者がAWDC公認のダイヤモンドアンバサダーという方で我々も入館することができました。
次はいよいよ、待望のダイヤモンド業者との面会です。
約10社の業者と1社5分ほどで面会を行うシステム。
メレダイヤならメレダイヤ、変形ダイヤなら変形ダイヤと、それぞれの得意分野の話聞きます。
興味持っていることを伝えると、翌日会いにいけることに。3社に目星をつけ、明日のアポイントを楽しみに。そんな仲介の様子にまるで婚活みたいだなという印象でした。
一度ホテルに戻り休憩後、市庁舎で開かれるというセレモニーに出席させていただくことに。
セレモニーはAWDC社長、ベルギー日本大使含め総勢50人ほど集まる大規模な会で、DnA((Diamonds&Antwerp))認定授与式と共に乾杯。
なかなか入ることのない場所に、私はこっそり館内探検を楽しんでいました。
館内の至る所にある壁画や豪華な大階段。室内は全てふかふかの絨毯が敷かれ、高貴な気分に浸ることができる貴重な機会になりました。
ホテルに戻ると広いテラスをまるで屋台のように散策し、2日目が終了。
3日目 DnAセミナー、業者めぐり
この日はAWDCの歴史を学び、昨日の業者に会いに行くスケジュール。
最初にお会いしたのはメレダイヤの業者。向かう場所を間違い、遅刻ぎみな面会に焦りながらも面会開始。
0.1ct未満のメレを拝見し、小さいメレダイヤにも関わらず、人の手で研磨している職人の技術を目の当たりに。まるで砂みたいなメレダイヤはピンセットでつまむだけでも難しいサイズ。思わず飛ばしてしまう失態も(笑)。
2社目もメレダイヤの業者。主にドバイでの商売をメインとしているらしく、在庫がないためご縁はない結果に。
3社目は変形ダイヤの業者。エメラルドカットのダイヤモンドに魅了され、私は興味津々。ガードルが驚く程薄く、とてもキレイでした。
面会が終わると、そろそろの味濃い食べ物が恋しくなったこともあり、中華料理店へ。美しいアントワープとは違うディープな部分にも触れ、ホテルへ帰宅。この日ももちろん夜はテラスでまったり。テラスは自宅のようにくつろげるお気に入りの空間になりました。